2009年2月5日木曜日

〝シーユウ〟アゲイン

入門後、俺を含め、四人の同期がいた。

俺は、その中で上から二番目。
なのに、名前(芸名)が付くのが一番遅かった。
一年半かかった。
これは、相当長い。
もう、生涯名前が付かないンじゃないか、とさえ思った。
だから、師匠から
〝立川 志樓(シロウ)〟という名前を貰った時、
本当に嬉しかった。
四人の中で、一番カッコ良かったし。

二つ目になる時、師匠から
「名前はどうするンだ?」と、訊かれた。
〝志樓〟に殊更に愛着があった俺は、
「このままで行こうと思います」と、答えた。
ところが、
「それぁ、前座の名前だから、変えた方がいい」。

そこで、付けて頂いた名前が
〝立川 志遊〟

以来、もう十年になる。
最初の頃は、まだ〝志樓〟に未練があったが、
今は、もう〝立川志遊〟以外の何者でもない。

〝遊〟の一字を付けてくれたのは、
生真面目な俺に対する、師匠からの深い
メッセージではないか、と勝手に思っている。

この度、真打になるにあたり、
「名前は、このままで行こうと思います」と、
前回と全く同じ言葉を師匠に告げた。
返ってきたのは、

「そうしな。いい名前だ」


今日、橘右女次師匠から、
お願いしていた書き物が届く。
惚れ惚れする仕上がりだった。

『 寿 立川 志遊 』の文字を目の当たりにし、
改めて、いい名前をもらった、と思った。


666まで、あと121日。