2013年2月2日土曜日

至高のLB

「アメフトは難しくて分からない...」

よくそんな声を耳にします。
実際、私も以前はそう思ってました。
でも、ノー天気なアメリカ人が熱狂して見てるくらいですから、
元来、難しいスポーツな訳はありません。

楽しみ方のひとつとして、細かいルールを知る事より先に、
まずは、お気に入りのチームや選手を決めるのがいいでしょう。

お薦めなのが、今回のスーパーボウルで、
最も注目を集めていると言っていいレイブンズ守備陣の一人、
LB(ラインバッカー)のレイ・ルイス(37)。
長きに渡ってチームの精神的主柱であり、
顔でもあった彼は、今度の試合を最後に引退します。

17年目の今季は、シーズン途中の昨年10月に右腕に大ケガをし、
今季絶望どころか、そのまま引退かとも言われました。
しかし、不屈の闘志でプレイオフの初戦(1/7)で見事復帰。
その直前に、今シーズン限りでの引退を表明したのですが、
負けたら終わりのプレイオフ。
敗戦は即引退を意味します。ところが...

「一試合でも多く彼にユニホームを着させたい」

そんな思いでチームが一丸となり、下馬評を覆して3連勝。
ついに12年ぶりのスーパーボウルに辿り着きました。

闘志を全面に押し出し、決して大きくない体で、
全力で相手にぶつかっていく彼のプレイスタイルは、
見ている者の心を揺さぶります。
レイブンズの本拠地M&Tバンクスタジアムの観客席では、
他のどの選手のものよりも、ルイスの背番号「52」のジャージを
身に着けたファンの姿が圧倒的に目立ちます。

ケガした右腕に付けたプロテクターが痛々しいですが、
これ以上ない大舞台で完全燃焼すべく、
魂を込めたプレイを見せてくれるでしょう。

歴史に残る名LBの最後の勇姿を見守りたいと思います。