2024年12月11日水曜日

立川 ぜん馬 師匠

入門以来、今日まで、

本当に一方ならぬお世話になった

大恩ある師匠。


『井戸の茶碗』『抜け雀』『ねずみ』

『芝浜』『淀五郎』『中村仲蔵』

『心眼』『三井の大黒』『黄金餅』

『三軒長屋』...大ネタと言われる多くの噺を

教えて頂きました。


私の二ツ目、真打、いずれの昇進披露の会にも

出演し、華を添えて下さり、

笑点の『真打披露口上』の際には

一緒に並んでご挨拶下さりました。


ご自身の落語会に沢山呼んで下さり、

沢山お酒を呑ませて頂きました。


ここでは書けない若い頃の武勇伝の数々を

いろんな方に伺いました。


酒を愛し、競輪を愛し、(多少?)女性を愛し、

そして何より落語を愛しておられました。


ここ十年位は病いと闘いながらの高座で

身体的にも精神的にも相当辛かったでしょうが、

常に新しい噺に挑まれており、

そばで見ていて頭が下がる思いでした。


現行の落語界より

数多の名人上手がいて、

盟友の円楽師匠のいる彼方の世界の方が

きっと楽しい事と思います。

「何、ぜんさん、もう来たの?」

「楽ちゃんが寂しがってると思ってさ」

「相変わらずせっかちだね」

「ま、新参者なんで一つよろしく。

とりあえずいい呑み屋(みせ)教えてよ」

そんな会話をしている事でしょう。


ぜん馬師匠、本当に有難うございました。

またどうか稽古をつけて下さい。