落語家が、
休業要請に従わなかった寄席に対し、
「寄席が『社会生活の維持に必要』を理由に
営業をするのはいかがなものか」
と言っているようだが、
問題の本質がまったく見えていない。
東京都が特措法24条9項に基づき、
寄席などの劇場に休業要請をした訳であるが
(正確には『無観客開催を要請』。
実質的に休業しろと言うのと同じ)、
その際に、
「社会生活の維持に必要な場合を除く」
などという但し書きをしたのを
要は逆手に取っただけに過ぎない。
かつて佐藤栄作元総理が
「『栄ちゃん』と呼ばれたい」
と発言したのを受けて、
横山ノックさんが本当に「栄ちゃん」と呼んだら、
当人が嫌な顔をしたという逸話と一緒。
社会生活に必要か必要でないかなんて、
個人によって違うし、
誰に決められるものでないのは、百も承知。
行政がそのような曖昧な物言いをするのがおかしい。
お上の意向に逆らえば、
将来的に、この業界にどのような影響が出るか分からない。
そのリスクを承知の上で営業に踏み切った覚悟に対し、
身内である筈の落語家が、
的外れの批判をして、足を引っ張ってはいけない。
そして、更に付け加えるべきは、
今回、寄席が営業しようがしまいが、
ハナから全然出演予定がない俺は、
「社会生活の維持」がかなり危うい。