2021年4月27日火曜日

とある

落語家が、

休業要請に従わなかった寄席に対し、

「寄席が『社会生活の維持に必要』を理由に

営業をするのはいかがなものか」

と言っているようだが、

問題の本質がまったく見えていない。


東京都が特措法24条9項に基づき、

寄席などの劇場に休業要請をした訳であるが

(正確には『無観客開催を要請』。

実質的に休業しろと言うのと同じ)、

その際に、

「社会生活の維持に必要な場合を除く」

などという但し書きをしたのを

要は逆手に取っただけに過ぎない。


かつて佐藤栄作元総理が

「『栄ちゃん』と呼ばれたい」

と発言したのを受けて、

横山ノックさんが本当に「栄ちゃん」と呼んだら、

当人が嫌な顔をしたという逸話と一緒。


社会生活に必要か必要でないかなんて、

個人によって違うし、

誰に決められるものでないのは、百も承知。

行政がそのような曖昧な物言いをするのがおかしい。


お上の意向に逆らえば、

将来的に、この業界にどのような影響が出るか分からない。

そのリスクを承知の上で営業に踏み切った覚悟に対し、

身内である筈の落語家が、

的外れの批判をして、足を引っ張ってはいけない。


そして、更に付け加えるべきは、

今回、寄席が営業しようがしまいが、

ハナから全然出演予定がない俺は、

「社会生活の維持」がかなり危うい。