十三回忌が控えているからだろうか、
月の初夢に、師匠が出てきた。
とても穏やかな様子で、
「師匠、お茶でもどうです?」
「おう、悪いな」なんて、気さくに話をした。
亡くなってしばらくは、
夢の中でも生前と変わらずおっかなく、
こちらも前座に戻ったように緊張したが、
この頃現れる師匠は、ずいぶん優しい。
これは多分、私が師匠に近づいてるからだろう。
勿論、芸でない。寿命が。