2009年5月22日金曜日

立川志遊真打披露パーティ

パーティ当日。

666と同時進行で準備を進めてきたパーティが、
666より、ひと足先に本番を迎える。

週間予報では、悪かった天気が、
なんとか今日一日持ちそうだ。
よしよし。

志らく師門下のらく里くんにウチまで来て貰い、
俺、カミさんとともに、三人で、荷物を持って
東京メトロに乗って、東京会館2時到着。

9F、ローズルームに行くと、
今日の手伝いを頼んでいた一門の後輩である、
二ツ目、前座さんズラズラズラ〜ッと集合してた。
今日一日、彼らが俺の為に、働いてくれるのかと思うと、
嬉しい、というより、少々ビビる。

まず会場を見せてもらうと
舞台上に
『立川志遊真打昇進披露』の看板があり、
その横に、二本ののぼりが下がっている。

掲げてあるのは間違いない。
俺の名前だ。

これを見て感慨に浸りながら、一升五合呑めるところだが
そんなコトしていられるワケもなく、
まずはお客様に持って帰ってもらう引き出物作り。
計、約300人分。

既に到着していた、
扇子、手拭い、口上書き、日本酒の段ボールが、
山積みになっていたのを見て、絶句。
全体の現物を見たのは、今日が初めてだ。
どうしていいのか分からない。

「袋に、これとこれとこれを入れて、
最終的にこういう風にしてくれ」と、
指示すると、皆、動き始めた。
段取りや進め方など、いつもだったら口を挟む俺だが、
今日は、完全に彼ら任せ。

進行Oさん、担当Rさん、会場スタッフと、舞台打合せ。
あっという間に時間が過ぎる。

いつの間にか、カミさんの姿がない。
多分、着付けして貰ってンだろうけど、
そこまで、気にしていられる余裕なし。

『薗田憲一とデキシーキングス』さん、
3:30分、予定通りに到着。
師匠大のお気に入りの、一門御用達のバンド。
今日は俺の為に、皆さん演奏してくれるンだ…。
これだけで、二升呑めるところだが、そうもしていられず
11Fの控え室にご案内しつつ、ご挨拶。

「こちらは気にしないで、準備して下さい」
マネージャーさんの言葉が身に沁みる。

9Fと11Fを行ったり、来たり。
段々、テンパって来たぞ。
引き出物、完成したとの由。
早い!

司会の談幸師匠、到着。

後輩に、交代で腹ごしらえしてくれ、と指示。

船生かぶき村、三咲てつや先生一行、栃木より到着。
実は、今月は、特別興行だったのだが、
俺の為に、昼の部を終わってすぐに上京。
強行軍。
これだけで、嬉しくて、有難くて、
皆さんとしみじみひと晩呑み明かしたい…
ところだが、そうもしていられない。
11Fにご案内。

食事している後輩達に、今日の担当部署を指示。
人数が大勢いるから、大まかな指示だけど
なんとかなるだろう。

舞台では、デキシーさんに続いて、
かぶき村の皆さん、リハーサル。

受付担当、Tさん到着。
お金を扱う大切な部署。
じっくり落着いて打合せしたいが、時間がなく、
名簿をお渡しして、後は、お任せする。

4:30。
手配した、迎えの車が師匠宅に着いた頃だ。
師匠、チャンと乗ってこっちに
向かってくれるのだろうか?
当り前だ。
考えるまでもない。

11F。一門控え室。
喉の渇きを覚え、立て続けに水を飲む。
髭剃り、歯磨き、バタバタ、バタバタ。
俺もちょっと腹ごしらえ出来るかと思ってたけど、
駄目だ。
もう時間がない。

5:00を越え、一門の皆さん、
徐々に集まり始める。
何の為にココに集まってくるのか。
ハイ、ワタシの為です。
じわじわ、喜び広がってくるのだが、
噛み締めてる余裕はなし。
まず先に着替え始める。

水と、お茶を立て続けに飲む。
急に腹が差し込む様に痛くなってきた。

もうお客さんも集まってる頃だが、
下の9Fどうなってるンだろう?
見に行きたいが、時間なし。

5:15。
ロビーから聞こてきた声で、すぐ分かった。
師匠が到着した。

すぐに控え室から出てってご挨拶。
この頃はいつも、そうなのだが、
やはり、今日もシンドそうだ。

でも俺の為に、来てくれた。
立川談志が、俺、立川志遊の為にだ。
感慨無量。
「もう、この時点でパーティやらなくてもいいや」
などどという気分になった。

両親とカミさんを呼んで、
師匠にご挨拶させる。

ウチの親もトシ取ったけど、
元気なうちに、この日を迎えられて
少しは親孝行になったか。

師匠の着替えが終わり、5:40。
時間通り。

「一門の皆様。では、そろそろ
スタンバイお願い致します。」

俺の声で、皆さん、9Fへ。

下りたら、既にロビーいっぱいの人。
勿論、旧知の方々の顔、顔、顔…。
ゆっくり、お話したいところだが、
それが出来ないのが辛い。

入り口の金屏風の場所へ移動。
家元はじめ、
一門の皆さんズラ〜ッと横に並んで頂いて、
準備OK。

デキシーさんの演奏開始とともに、
仕切りが取り外され、迎賓。
お客様、一人一人に頭を下げる。

北海道や九州、ご遠方からお越しの方。
忙しいスケジュールをなんとか都合をつけて
駆けつけて下さった方。
体調万全でないのに、足を運んでくれた方。

本当に有難い。
自然と頭が下がる。
でも、俺、笑顔が少しこわばってるなぁ。

お客様がほぼお席に着いたところで、
師匠と、入場口裏へ移動。

待機していると、三遊亭圓馬兄さんいらした。
生志兄と同期で、俺がお声掛け出来る
芸術協会の数少ないお方。

デキシーさん達も、舞台からこちらに移動。
準備万端。いよいよだ。

「お待たせ致しました。
それでは、これより、新真打ちの登場です」

談幸師匠のアナウンスで、
入場口が開く。

デキシーさんの先導で、
家元が進み、
その後へ俺が続く。

万雷の拍手で迎えられた…

後は……、


ご来場の皆様に見て頂いた通りです。


家元をはじめ、その場にいた全ての皆さんが
祝い、盛上げてくれました。

「いい集まりだった」

師匠が帰り際、乗り込んだ車から
そう云ってくれました。

ウソじゃないと思います。

ご来場頂いた皆様。
有難うございました。