今から十年以上前の『志樓』時代に、
中央会館での、師匠の独演会の
前座をさせてもらった時の話。
開演時間になっても、師匠が来ない。
俺の持ち時間は、15分だったが、
20分に伸ばして高座を下り、舞台袖に戻ると、
弟弟子から「まだ、師匠が来てません」。
なーに、ここまでは、十分、想定の範囲内。
再び高座に戻り、踊りを一曲踊って、舞台袖を見ると
「まだ、つなげ(伸ばせ)」の合図。
冷や汗が出て来たが、十分想定の範囲内。踊りをもう一曲。
舞台袖「もう少し、つなげ」
油汗も出て来たが、まだ想定の範囲内。さらにもう一曲。
舞台袖「つなげ」…。
汗だくになって、結局40分やったところで、家元登場。
「ウーン、待ちかぁねぇたぁ…」と、
期せずして、『淀五郎』の稽古になるとともに、
危うく、俺の独演会になりかけた。
俺も辛かったが、
お客さんも、さぞ辛かったろう…。
同じ場所での今度の666。
「師匠は出てくれるのか」、ですって?
……。
もッ!勿論じゃないですか!!
666まで、あと132日