劇座DNA座長にお誘い頂き、
歌舞伎座第3部『日蓮』を観劇。
今回主役の日蓮聖人を演じるのは、
若き実力者、市川猿之助丈であるが、
今から20年程前に、
上記DNAの企画した芝居において、
既に全国50カ所以上の舞台で、
日蓮聖人を演じた実績のある私としては、
「さて、猿之助君のお手並み拝見」
といったところ。
まず気付くのが、
収容50%制限中の歌舞伎座の客席の
坊主頭率の高さ。
上演中、ポックリ逝った客がいても、
引導、渡され放題。
さて、肝心の芝居であるが、
猿之助君、
間違いなく、まだまだ伸びる。
これからも伝統芸能に携わる身として、
お互い、切磋琢磨していこう。
彼は私の事など知らないだろうが。
それにしても、
何で最後、最澄なんだ?
無垢と優しさの象徴としての『善日丸』と
怒りや激しさの象徴としての『阿修羅』という
自己の分身のキャラクターを登場させて、
立教開宗に至るまでの
蓮長こと、若き日蓮の内面世界を描くならば、
ラストにお出ましになるのは、
どう考えたって、
お釈迦様しかいないでしょうよ。
何か忖度でも働いたンすかねえ、玄さん?
銀座で一杯やりながら、
その辺りの事を訊いてみたいが、
ご時世柄そうもいかないので、
次の機会にご本職の意見を伺いたいと思う。